会社規定・規則の書き方~Wordテンプレート(ひな形)の無料ダウンロード~

  1. トップページ
  2. 人事・労務
  3. 自己啓発支援制度規程

自己啓発支援制度規程

自己啓発支援制度規程のテキスト

       事故啓発支援制度規程

第1章 総則

(目 的)
第1条 この規程は、より効果的な能力開発を実現するため、社員の自己啓発に対し、会社が実施する支援について定めたものである。

(自己啓発の定義)
第2条 この規程において自己啓発とは、自らの意思と努力により能力の開発を行うことをいう。ただし、現在または将来、当社において社員が従事する業務に関連したものでなければならない。

(対象者)
第3条 この規程の対象者は、全ての社員とする。ただし、別に定める場合を除き期間を定めて雇用する社員については適用しない。

(社員の責務)
第4条 社員は、常に自己啓発に励み、自らの能力の向上に努めなければならない。

(会社および上司の責務)
第5条 会社は社員の能力開発について積極的に機会を与え支援するものとし、上司は部下の能力水準、得意分野などの現状を把握し、能力開発について適切な助言を与えるよう努めなければならない。

(支援内容)
第6条 会社は、社員の自己啓発を支援するため、次の施策を実施する。
    ① 資格取得奨励制度
    ② 通信教育補助制度
    ③ 自主研修グループ補助制度

第2章 資格取得奨励制度

(対象となる資格)
第7条 この規程で対象とする資格は、国家資格等の公的資格もしくはそれに準ずる程度の民間資格であって会社が認定したものをいう。ただし、会社が社員の従事する業務の種類に限定する資格については該当業務以外の業務に従事する者に適用しない。

(資格取得奨励金)
第8条 前条の資格を新たに取得した者には、それぞれ別表1に定める額の資格取得奨励金を支給する。ただし、次のいずれかに該当する場合は支給しない。
    ① 既に取得していた資格を取り消され再度取得するとき、または有効期間の満了
           などにより喪失し更新するとき
    ② 既に資格を取得している者が、その資格と同一の性質の下級の資格を取得した
           とき
 2. 前項にかかわらず、既に取得している下級の資格に続き同一の性質の上級の資格を取得した者には、上級の資格と下級の資格のそれぞれの奨励金の差額を支給する。ただし、入社前に取得した下級の資格であって奨励金を支給していない場合を除く。

(資格取得費用助成金)
第9条 第7条の資格を取得するために次の費用を支出した者には、その半額を会社が助成する。ただし、同一の資格を取得するために支出した費用の助成は1回を限度とする。
    ① 試験費用
    ② 試験会場への当日の交通費(自宅との往復による)
 2. 所定労働日に対象となる試験等を受ける必要があるときは、その時間または日について有給にて労働を免除する。ただし、所定の手続きにより事前に会社へ申し出なければならない。

(申請予定の申し出)
第10条 資格取得奨励金および資格取得費用助成金の申請を予定する社員は、原則としてその支援の対象となる試験の費用を支出する前に、所定の用紙により総務部へ申し出なければならない。

(資格取得奨励金および資格取得費用助成金の申請)
第11条 資格取得奨励金を申請する社員は合格を証明する書類、資格取得費用助成金を申請する社員は費用の内訳を証明する書類等を添付し、所定の用紙により総務部へ申請しなければならない。

第3章 通信教育補助制度

(通信教育補助金)
第12条 会社が推薦する通信教育の講座(以下「推薦講座」という)を受講し修了した社員には、補助金を支給する。
 2. 前項の補助金は、あらかじめ会社が推薦講座を選定し、講座ごとに額を決定する。
 3. 会社は、特定の推薦講座について補助金の対象者を役職、従事する業務などで限定することができる。

(講座の公表)
第13条 会社は、推薦講座、補助金など、社員がこの制度を利用するために必要な情報を随時見直して公表する。

(講座の申込みと補助金の申請)
第14条 推薦講座の受講を希望する社員は、所定の用紙により総務部へ申し込まなければならない。
 2. 推薦講座を修了し補助金を申請する社員は、所定の用紙に修了を証明する書類を添付し、総務部へ申請しなければならない。

第4章 自主研修グループ補助制度

(研修の補助)
第15条 別に定めるところにより会社に自主研修グループとして認定を受けているグループ(以下「自主研修グループ」という)には、毎月10,000円の補助金を支給する。
 2. 補助金は、原則として研修資料の作成、通信、社外会場の使用、研修中の飲料、研修後の親睦など、研修に関連し使用するものとし、所定の用紙によりグループごとに会計し、毎月分を翌月15日までに総務部へ報告しなければならない。
 3. 自主研修グループの活動として、外部講師の依頼、資料の購入、その他有意義な活動のために支出する費用として会社が認めたときは、第1項に加えて特別の費用助成をすることができる。

(補助金の支給時期)
第16条 補助金は、毎月25日に自主研修グループの代表者へ支給する。ただし、自主研修グループとして会社が認定をした月から、解散または認定を取り消した月まで支給する。

(研修会場・設備の使用)
第17条 会社は、自主研修グループの研修を目的とするときは、当該グループの申請により研修会場、その他必要な設備等の使用を許可することができる。ただし、その目的の範囲で業務に支障をきたさぬよう使用しなければならない。
 2. 研修時間は、原則として所定労働時間外および休日とし、業務に引き続き研修を行うときはタイムカードを打刻後に実施しなければならない。また、研修終了後はすみやかに退社しなければならない。
 3. 会場等の使用申請は、必要な時間、場所、設備等を記載し所定の用紙により総務部へ提出しなければならない。

第5章 雑則

(支援の特例)
第18条 海外派遣のための語学習得、防火管理者など法律により会社に選任が義務付けられた資格者、その他業務上の必要により会社が指名する者には、資格取得費用助成金、通信教育補助金について費用の全額を支給し、その他通信教育以外の講習の受講料、資格登録料など会社が認める費用について全部または一部の額を負担することができる。

(適用の除外)
第19条 次のいずれかに該当するときは、本規程(第4章を除く)の支援対象から除外する。
    ① 本規程の定める報告、届出等必要な手続きを怠ったとき
    ② 1年以内に退職することが明らかとなったとき
    ③ 1人の社員について、暦年の申請が3件を超えるとき
    ④ 助成金等の支給要件に該当してから1年を経過しても申請がないとき
    ⑤ 自己啓発の状況について不適切であるとして会社が指導し、なおも改善されな   
           いとき

付 則

 1. この規程は、平成○年○月○日から実施する。


  別表1
資格等  奨励金(円) 職種限定
税理士 100,000 経理
社会保険労務士 100,000 人事
…  
日商簿記検定1級 ※1 30,000 経理
日商簿記検定2級 ※1 20,000 経理
…  
日本英語検定協会 実用英語技能検定1級 ※2 70,000 
日本英語検定協会 実用英語技能検定準1級 ※2 50,000 
日本英語検定協会 実用英語技能検定2級 ※2 30,000 
…  
  注)※は、第8条1項、2項の「同一性質」の資格等

 
平成  年  月  日


 
 殿

所属  
氏名  ㊞


自己啓発支援制度申請書



 自己啓発支援制度規程に基づき、下記のとおり申請いたします。

記

1.申請項目
□ 資格取得奨励金
□ 資格取得費用助成金
□ 通信教育補助金

2.申請内容
資格取得 資格名称
奨励金 合格発表日:   年  月  日 申請額: (      )円
資格取得費用 試験会場: 試験日:   年  月  日
助成金 試験費用: (      )円
交通費: 片道(      )円、往復(      )円
通信教育 講座名称 受講者No:
補助金 受講期間:   年  月  日から
        年  月  日まで 申請額: (      )円

以上
 
趣旨

 アメリカのように労働力を必要に応じて随時社外から調達してくるのではなく、我が国では、多くの場合、新規学卒者を雇用し社内で有用な人材に育成してきました。そのため採用後の様々な教育訓練・能力開発(アメリカでは、短期的に職務に求められる能力を育てる教育訓練〔training〕と、長期的に幅広い能力を開発する能力開発〔development〕に区別されますが、日本では、必ずしも同様の区別はありません)が我が国の企業で非常に重要な役割を果たしてきたのです。
 特に、現在のような急速な国際化と情報技術の進歩により、教育訓練・能力開発の必要性はますます高まっています。
 一方、長引く景気の低迷や、労働者が気軽に転職する時代となったことなどから、従来のような多額な費用を投じる教育訓練・能力開発の方法は見直さざるを得なくなってきています。
 現在、教育訓練・能力開発の方法は、OJT(職場内において上司が部下へ日常の作業を通じて行う教育訓練)、Off-JT(企業の行う集合研修、企業外の講習会、通信教育など職場外において行う教育訓練)、自己啓発(自らの意思と努力によって能力を開発する活動)の大きく3つに分けることができます。
 OJTは、これからも必要に応じて実施されるべき方法であり、Off-JTはこれから減っていくであろう方法です。
 そして、OJTやOff-JTの補完や、効果的な能力の発達に不可欠なものは自己啓発です。これからの時代は、この自己啓発がますます重視されることになるでしょう。ただし、社員任せにするのではなく、企業が社員に自己啓発を動機付けるための施策が必要であり、これが「自己啓発支援制度」です。

ポイント

1.就業規則への記載および労働条件の明示事項
 会社が教育訓練・能力開発についてルールを設ける場合、労働基準法では、「職業訓練」を相対的必要記載事項としているため(労基法89条)、就業規則またはその別規程として規則を作成する必要があります。この場合、①職業訓練の種類、②内容、③期間、④対象者の資格等、⑤特別の権利義務を設定するときはその事項、⑥訓練終了者へ特別の処遇をするときはその事項、などを記載すべきとされています(昭和44.11.24基発776号)。また、「職業訓練」は、労働契約締結の際に労働者に明示すべき事項とされています。ただし、明示の方法は文書による必要はありません(労基法15条)。

2.差別禁止
 教育訓練・能力開発に対象者を設ける場合、役職や業種によって異なる取り扱いをすることはかまいませんが、女性であることを理由として差別的な取り扱いをすることは、男女雇用機会均等法により禁止されています(均等法9条)。⇒モデル規程 第3条

3.自己啓発支援策
 多くの企業で実施している自己啓発の支援策としては、「研修等の情報提供」「研修の受講費用等の助成」「会社施設の提供」「研修の時間・休暇の提供」などがあります。社内の実情により可能な施策を取り入れて下さい。⇒モデル規程 第6条

ここを検討!
・どのような自己啓発支援策を提供しますか。
・資格取得支援であれば、どのような資格が社内の業務に役立ちますか。

4.教育訓練・能力開発と労働時間
 教育訓練・能力開発を所定時間外に行った場合、参加しない者に特に不利益がなく、もしくは強制がなく、まったく本人の意思による自由参加であれば、その時間は労働時間とする必要はありません(昭和26.1.20基収2875号)。したがって、その時間の賃金を支払う必要はありません。 ⇒モデル規程 第17条2項

5.所得税の課税・非課税
 会社が役員や社員に対して修学のための「学資金等」を支給した場合、この学資金等は原則として給与とみなされるため受給した社員に所得税が課税されます(所基通9-14)。資格取得費用や通信教育費用もこの学資金等に当たります。
 ただし、会社の業務上の必要により、役員や社員にその職務に直接必要な技術や知識の習得、または免許・資格などを取得させるための研修会、講習会等の出席費用などについては、適正なものに限り課税されません(所基通9-15)。 ⇒モデル規程 第18条

6.本人負担の特定支出控除
 会社員など給与所得を受ける者は、個人事業者のように所得から必要経費の控除を受けることはできませんが、自らも仕事に関連した経費を支出することがあるため、このような経費を概算で控除する「給与所得控除」という制度があります。この額は最低でも65万円あり、収入に応じて増加します。
 ただし、この概算である給与所得控除額よりも多く、一定の目的の支出をしたときは、確定申告により「特定支出控除」という実額に基づく控除を受けることができます。その対象となる一定の支出とは、①通勤費、②転任の転居費、③職務に直接必要な技術等を得る研修費、④職務に直接必要な資格取得費、⑤単身赴任の帰宅費のうち、給与の支払者が証明したものに限ります。

7.教育訓練給付制度
 教育訓練給付制度という雇用保険の給付制度があります。これは、雇用保険の一般被保険者(在職者)または一般被保険者であった(離職者)一定の人が、情報処理技術者資格、簿記検定、社会保険労務士資格をめざす講座など厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に、支払った教育訓練経費の一定割合の額が支給される制度です。
 本規程のように受験費用などの補助を受けた場合、本人の支出した費用のうち会社から補助を受けた額については、給付金を受けることはできません。ただし、資格取得奨励金のような祝い金は、会社の規程に基づくこと、一般的に妥当な額であることなど一定の条件を満たす場合に限り差し引かれることはありません。
 モデル規程ではこの制度に触れていませんが、支給条件を満たすケースでは社員が個別にハローワークで受給手続きを行うよう会社から案内をするべきでしょう。

8.事業主への助成金制度
 雇用保険には、事業主に支給される助成金制度があり、この中に「キャリア形成促進助成金」など教育訓練に関するものがあります。
 本書では詳細は省略しますが、助成金制度は頻繁に改正されるため、自社に適用されるものがないか、定期的にチェックしておきましょう。

ここを検討!
・会社の都合により社員へ資格取得を奨励する場合など、特例的な取り扱いを設けておきますか。
・支給対象から除外するような事由はありませんか。


↑ PAGE TOP