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企業の行動指針(コー円卓会議)

企業の行動指針(コー円卓会議)のテキスト

       企業の行動指針

(○○株式会社:2013年12月)

序  文

 ○○株式会社は、世界の企業経営関係者が経済、社会状況の改善のために重要な役割を果たさなければならないと確信する。私たちの抱負を綴ったこの文書は、企業行動の是非を判断する世界的な基準を示そうとするものである。私たちは互いに共有する価値観を認識し、異なる価値観の調整を図り、それによってすべての人々から受け入れられ、尊敬される企業行動のあり方を明らかにする作業を始めたいと思う。
 これらの原則は、「共生」と「人間の尊厳」という2つの基本となる倫理的理念に根ざしている。日本から示された「共生」という概念は、人類全体の利益と幸福の実現に向けてともに生き、ともに働くという意味であり、互いの協力、共存共栄と健全で公正な競争との両立を図ろうとするものである。「人間の尊厳」は、一人ひとりの侵されることのない神聖さと真価を究極の目標としており、他人の目的や過半数の意見を達成させるための単なる手段となってはならない。
 第2章の一般原則は、「共生」と「人間の尊厳」の精神を明らかにし、第3章のステーク・ホルダーズに関する原則は、それらの理念の具体的な適用のあり方を示している。
 その表現や形式において、この文書はミネソタ企業責任センターがまとめた「ミネソタ原則(Minnesota Principles)」に負うところが大きい。同センターは、日本、米国ならびに欧州の代表からなるこの文書の起草委員会を主催し、議長の役を務めた。
 企業行動は、国家間の関係や人類の繁栄・福利に影響を及ぼす。企業はしばしば国家間の最初の橋渡しの役割を担い、そのあり方が社会的、経済的変革をもたらすことから、世界中の人々が感じるおそれや信頼にも重大な影響を及ぼす。○○株式会社のメンバーは、まず自らを正すことを第一とし、「誰が正しいかではなく、何が正しいか」を明らかにしようとしている。

第1章 前  文

 雇用や資本、商品、技術の活発な移動により、企業による取引活動やそれが及ぼす影響はますますグローバル化している。
 企業行動の規範として、法と市場の力がもちろん必要ではあるが、それだけでは十分とはいえない。
 企業が自らの方針や行動に対して責任を負うことと、ステーク・ホルダーズの尊厳と利害を尊重することが基本となる。
 繁栄を分かち合う責務などの価値観を共有することは、小規模な地域コミュニティのみならず、グローバルなコミュニティにおいても重要である。
 以上の理由と、社会を前向きに変革していくうえで、企業が力強い担い手となり得るとの確信から、私たちは、企業責任を模索するビジネス・リーダーによる対話と行動の拠りどころとして、以下の諸原則を提案する。こうした提言を行うことによって、企業の意思決定において、道徳的価値が必要不可欠であることを私たちは主張したい。道徳的価値をもたずして、安定したビジネス関係や持続可能な世界コミュニティを実現することは望み得ない。

第2章 一般原則

原則1 企業の責任―株主のみならずステーク・ホルダーズ全体に対して
 企業の社会的存在価値は、企業が新たに生み出す富と雇用、消費者に対して質に合った適正な価格で提供する市場性のある商品とサービスにある。そうした価値を創造するためには、企業は自らの経済的健全性と成長力を維持することが不可欠であり、単に生残りをかけるだけでは十分とはいえない。
 企業はまた、自らが創造した富を分かち合うことによって、あらゆる顧客、従業員ならびに株主の生活の向上を図る役割を有している。仕入先や競争相手も、企業が自らの義務を誠実かつ公正の精神で全うすることを期待することが望まれる。さらに、事業活動が行われる地方、国、地域ならびに地球コミュニティの「責任ある市民」として、企業はそれらコミュニティの将来を決定する一翼を担っている。

原則2 企業の経済的、社会的影響―革新(イノベーション)、正義ならびに地球コミュニティを目指して
 諸外国に拠点を置いて開発や生産、販売に携わる企業は、生産的雇用の創出と国民の購買力の向上を支援することによって、それらの国々の社会的発展に貢献しなければならない。企業はまた、事業活動を行う国々の人権、教育、福祉、活性化に貢献すべきである。
 企業は、効率的で適正な資源の利用、自由で公正な競争、さらには、技術や生産方式、マーケティング、コミュニケーションの革新に積極的に取り組むことによって、事業活動を行う国のみならず、地球コミュニティ全体の経済、社会の発展に貢献しなければならない。

原則3 企業の行動―法律の文言以上に信頼の精神を
 企業秘密保持の正当性を受け入れる一方、裏表がなく、率直で、真実を語り、約束を遵守し、透明であることが、企業自らの信用と安定のみならず、商取引、特に国際的な取引の円滑化と効率化に役立つことを認識しなければならない。

原則4 ルールの尊重
 貿易摩擦の回避と、より自由な貿易、平等な競争条件、あらゆる関係者の公正かつ衡平な処遇を促進するために、企業は国際的ルールならびに国内のルールの両方を尊重しなければならない。さらに、企業行動のいかんによっては、たとえそれが合法的ではあっても、芳しくない結果をもたらすことがあることを認識すべきである。

原則5 多角的貿易の支持
 企業は、GATT/世界貿易機関(WTO)その他国際協定に基づく多角的貿易体制を支えていかなければならない。企業はまた、自国の政策目標を尊重しつつも、漸進的で適正な貿易自由化の推進と、世界貿易を不当に妨げる国内規制の緩和の促進に協力を惜しんではならない。

原則6 環境への配慮
 企業は、環境を保護し、可能な場合には環境を改善し、持続可能な経済発展を推進し、天然資源の浪費を防止しなければならない。

原則7 違法行為等の防止
 企業は、贈収賄やマネー・ロンダリングその他の汚職行為に関与し、またはそれらを看過することがあってはならない。さらに付言するならば、企業は、そうした行為を排除するために、関係者と積極的に協力すべきである。テロ行為や麻薬取引、その他組織的犯罪に利用される武器等の取引を行ってはならない。

第3章 ステーク・ホルダーズに関する原則

1 顧  客
 私たちは、すべての顧客に敬意を持って接することを信条とする。顧客が私たちの商品やサービスを直接購入しようと、あるいは間接に市場で求めようと、この信条に変わりはない。そのために、私たちは以下の責任を有する。
 ① 顧客の要請に合致する高品質の商品ならびにサービスを提供する。
 ② 私たちの商取引のあらゆる場面において顧客を公正に遇する。それには、高水準のサービスならびに顧客の不満に対する補償措置を含むものとする。
 ③ 私たちの商品およびサービスを通じて、顧客の健康と安全ならびに環境の質が維持され、向上されるよう、あらゆる努力を傾注する。
 ④ 商品ならびにマーケティング、広告を通じて人間の尊厳を侵さないことを約束する。
 ⑤ 顧客の文化や生活様式の保全を尊重する。

2 従業員
 私たちは、従業員一人ひとりの尊厳と、従業員の利害を真剣に考慮することの重要性を確信する。そのために、私たちは以下の責任を有する。
 ① 仕事と報酬を提供し、働く人々の生活条件の改善に資する。
 ② 一人ひとりの従業員の健康と品格を保つことのできる職場環境を提供する。
 ③ 従業員とのコミュニケーションにおいては、誠実を旨とし、法的および競争上の制約を受けない限り、情報を公開してそれを共有するよう努める。
 ④ 従業員の提案やアイディア、要請、不満に耳を傾け、可能な限りそれらを採用する。
 ⑤ 対立が生じた際には、誠実に交渉を行う。
 ⑥ 性別、年齢、人種、宗教などに関する差別的な行為を防止し、待遇と機会の均等を保証する。
 ⑦ 能力差のある人々を、それらの人々が真に役立つことのできる職場で雇用するよう努める。
 ⑧ 従業員を職場において防ぎ得る傷害や病気から守る。
 ⑨ 適切で他所でも使用できる技術や知識を、従業員が習得するよう奨励し、支援する。
 ⑩ 企業の決定によってしばしば生じる深刻な失業問題に注意を払い、政府および被雇用者団体、その他関連機関ならびに他の企業と協力して混乱を避けるよう対処する。

3 オーナー、投資家
 投資家が私たちに寄せる信頼に応えることの重要性を理解する。そのために、私たちは以下の責任を有する。
 ① オーナーの投資に対して、公正で競争力のある利益還元を図るため、経営の責任を担う者として企業経営に精励する。
 ② 法的および競争上の制約を受けない限り、オーナーや投資家に対して関連情報を公開する。
 ③ オーナーまたは投資家の資産の保持、保護、拡大を図る。
 ④ オーナーまたは投資家の要請、提案、苦情ならびに正式な決議を尊重する。

4 仕入先
 仕入先や協力会社(下請け)との関係は、相互信頼に基づくべきである。そのために、私たちは以下の責任を有する。
 ① 価格の設定、ライセンシング(知的所有権の実施許諾)、販売権を含むすべての企業活動において公正と正直とを旨とする。
 ② 企業活動が圧力不必要な裁判沙汰によって妨げられることのないように努める。
 ③ 仕入先と長期にわたる安定的な関係を築き、見返りとして相応の価値と品質、競争力および信頼性の維持を求める。
 ④ 仕入先との情報の共有に努め、計画段階から参画できるように努める。
 ⑤ 仕入先に対する支払いは、所定の期日にあらかじめ同意した取引条件で行う。
 ⑥ 人間の尊重を重んじる雇用政策を実施している仕入先や協力会社を開拓、奨励ならびに選択する。

5 競争相手
 私たちは、公正な経済競争こそが国家の富を増大し、ひいては商品とサービスの公正な分配を可能にする基本的な要件であると確信する。そのために、私たちは以下の責任を有する。
 ① 貿易と投資に対する市場の開放を促進する。
 ② 社会的にも、環境保全の面においても、有益な競争を促進するとともに、競争者同士の相互信頼の範を示す。
 ③ 競争を有利にするための疑わしい金銭の支払い、便宜の要求、または関与をしない。
 ④ 有形財産に関する権利、および知的所有権を尊重する。
 ⑤ 産業スパイのような不公正、あるいは非倫理的手段で取引情報を入手することを拒否する。

6 地域社会
 事業活動が行われる地域社会で、改革や人権擁護のために活動する団体に対して、私たちは、グローバルな企業市民として何らかの貢献ができると確信する。そのために、私たちは以下の責任を有する。
 ① 人権ならびに民主的活動を行う団体を尊重し、可能な支援を行う。
 ② 政府が社会全体に対して当然負っている義務を認識し、企業と社会各層との調和のある関係を通して、人間形成を推進しようとする公的な政策や活動を支援する。
 ③ 健康、教育、職場の安全、ならびに経済的福利の水準の向上に努力する地域社会の諸団体と協力する。
 ④ 持続可能な開発を促進、奨励し、自然環境の保護と地球資源の保持に主導的役割を果たす。
 ⑤ 地域社会の平和、安全、多様性、および社会的融和を支援する。
 ⑥ 地域の文化や生活様式の保全を尊重する。
 ⑦ 慈善寄付、教育および文化に対する貢献、ならびに従業員による地域活動や市民活動への参加を通して「よき企業市民」となる。
 以上

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