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金銭出納管理規程

金銭出納管理規程のテキスト

       金銭出納管理規程

第1章 総 則
(目 的)
第1条 この規程は、金銭出納の管理を適切に行い、会社資産の安全な保管と効率的な運用を目的とする。
(金銭の範囲)
第2条 この規程において金銭とは、現金及び金融機関に対する預貯金をいい、現金には国内通貨、外国通貨、受取小切手、郵便為替証書、郵便貯金払出証書を含むものとする。
(出納業務の担当)
第3条 金銭の出納及び保管業務は経理部で行う。
2 金銭の出納業務は、経理部長が指名した出納担当者及び出納責任者(経理課長とする。)又はそれらの代行者がこれを行い、あらかじめ指名されていない者に代行させてはならない。
3 経理部長は、出納担当者及び出納責任者の不在に備えて代行者を指名しておく。
4 出納担当者は、経理部長が認めた場合のほか、金銭出納の記帳事務に携わってはならない。
(出納業務取扱時間)
第4条 出納業務を取り扱う時間は、原則として会社の営業時間内とする。ただし、正当な理由があって出納責任者が必要と認める時はこれを延長又は短縮することができる。
(印章の保管及び使用)
第5条 銀行届出印は、経理部長が保管し押印する。
2 出納責任者印は、経理課長が保管し押印する。
3 経理部長又は経理課長が出張等により不在となる場合は、その上司に保管及び押印を依頼するものとし、部下に委任してはならない。
(認印の届出)
第6条 経理担当役員、経理部長、経理課長、出納担当者、資金管理担当者、小口現金責任者、小口現金担当者その他の経理事務に携わる者は、その認証に用いる印(認印)をあらかじめ経理部長に届け出なければならない。その認印を変更しようとする時も同様とする。
2 前項の者は、前項で届け出た印以外の印を業務に使用してはならない。
(認証の手続)
第7条 この規程における認証の手続は、認証を行う者が認証しようとする書類に本人の認印を押印することにより行う。
(記載事項の修正)
第8条 会計帳簿、入金伝票、支払伝票、振替伝票等の記載内容の修正は極力避けるべきであり、書き損じた場合は始めから書き直すことを原則とするが、やむを得ず修正する場合は次の方法による。
① 不要文字の抹消だけの場合、抹消すべき文字を2本線で見え消しし、その上方又は近辺の余白に「何字抹消」と記載する。
② 不要文字を抹消し、必要文字を挿入する場合は、抹消すべき文字を2本線で見え消しし、その上方又は近辺の余白に「何字抹消何字挿入」と記載し挿入すべき文字を記載する。
③ 抹消した旨又は挿入した旨の記載文字列の末尾に修正した者が自己の認印を押す。
(疑義解釈)
第9条 この規程の運用若しくは解釈に疑義がある場合の解釈又はこの規程で定めていない事項で金銭の出納、保管に関する事項については、経理部長の助言を得て経理担当役員が決定する。
(規程の改廃)
第10条 この規程の改廃は、経理部長が起案して経理担当役員が決定し公布する。

第2章 金銭の収納
(収納手続)
第11条 金銭を収納したときの手続は以下の手順による。
① 出納担当者は、金銭を収納したとき(銀行振込による入金を含む。)は、直ちに入金伝票を作成する。支店等の事業所において作成された入金伝票がある場合は、その記載内容の点検をし、以下同様の手続とする。
② 売掛金の回収で請求金額がその通り入金された場合は、代金請求担当者から回付された請求書とワンライティングになっている入金伝票を使用する。
③ 入金伝票には、収納日付、収納金額、収納先、収納根拠(摘要)、収納した金銭の種類(現金、小切手、銀行振込、その他の別)、貸方勘定科目名等を記入し、さらに手形による入金の場合は約束手形・為替手形の別、手形債務者名、支払銀行名、支払期日並びに領収証発行の要否等を記入する。
④ 外国通貨による収納は、通貨の国別、呼称単位及び外国通貨による金額を入金伝票の摘要欄に記載し、金額欄には当日のTTM(電信売買仲値)による換算金額を記載する。
⑤ 領収証の発行を要する場合は、出納担当者は領収証用紙に必要事項を記入する。
⑥ 出納担当者は、自ら作成した入金伝票及び領収証の記載内容を、収納した金銭又は手形及び送金通知等と照合したうえ入金伝票と領収証に認印を押し、金銭又は手形を添えて出納責任者に回付する。
⑦ 出納責任者は、入金伝票と領収証の記載内容を、収納した金銭又は手形及び送金通知等と照合して入金伝票と領収証に認印を押す。
⑧ 出納責任者は、金銭又は手形を金庫に収納して、領収証には経理責任者印を押して入金先への交付(手渡し又は郵送)の手続きをとり、入金伝票は記帳担当者に回付する。
(支店等における回収)
第12条 支店、営業所等の事業所において売掛金等の回収をした場合、当該事業所の小口現金担当者は以下の手続を取る。
① 本社の出納担当者が作成する入金伝票と同様の入金伝票を作成し、これをファックスにより出納担当者あてに当日中に送付する。
② 現金(小切手等を含む。)により回収した場合は、当該現金を当該事業所の取引銀行へ入金する。
③ 手形により回収した場合は本社へ郵送する。
(領収証の発行手続)
第13条 領収証の発行要領は次による。支店等の事業所における収納で領収証の発行を要する場合も同列に扱い、当該事業所では領収証を発行しない。
① 当社所定のあらかじめ一連番号が付された領収証用紙を使用する。
② 領収証には次の事項をすべて記載しなければならない。
 収納日付、収納金額、収納先、収納根拠(摘要)、収納した金銭の種類(現金、小切手、銀行振込、その他の別)、手形による入金の場合は約束手形・為替手形の別、手形債務者名、支払銀行名、支払期日
③ 出納担当者及び出納責任者は、領収証の記載事項を点検して認印を押し、出納責任者は出納責任者印も押す。
④ 領収証の記載字句を修正してはならない。修正された領収証は無効とする。
⑤ 領収証を書き損じた場合は、当該用紙の番号部分を切り取って控に貼付する。番号部分を切り取った用紙は再使用できないように破棄する。
⑥ 入金先指定の領収証を発行する場合は、入金伝票にその旨を記載して指定領収証を発行する。この場合、出納担当者及び出納責任者は、指定領収証の記載事項を点検して認印を押し、出納責任者は出納責任者印も押す。
⑦ 金額の記入が無い領収証は、いかなる場合でもこれを発行してはならない。
(領収証の不発行)
第14条 次に掲げる金銭の収納の場合は、領収証を発行してはならない。ただし、必要に応じて入金伝票の写しを入金先に渡すことができる。
① 本店、支店間の金銭又は手形の移動
② 会社が管理する銀行口座間の金銭の移動
③ 仮受金の受け入れ、仮払金の戻し入れ
④ 銀行振込による売上債権の回収その他の入金で顧客に領収証は発行しない旨が通知してある場合。ただし、顧客の要求で領収証の発行を依頼された場合は、発行することができる。
⑤ 当社の役員、従業員等からの金銭又は手形の受け入れ
(入金の確認)
第15条 出納担当者は銀行振込による入金を確かめるため、毎営業日の午後4時から5時の間に銀行から入出金情報を入手するか、銀行へ赴いて通帳記入をしなければならない。
(資金の流用)
第16条 他から収納した金銭又は手形を直接支払に当ててはならない。他から収納した金銭又は手形は、これをいったん資金管理担当者の管理下に置いてから支払資金とする。
(銀行への入金)
第17条 出納責任者は、収納した金銭による入金のすべてを、一定の釣り銭資金を残して原則として毎日、銀行の預金口座へ入金する。この時、出納責任者は入金額の明細表及び振替伝票を作成し記帳担当者に回付する。
(手形の管理)
第18条 出納責任者は、収納した手形を期日別、支払地別等に区分して明細表を作成し、保管、管理する。
2 手形の保管、管理の手続については、別に定める「有価証券管理規程」で定める。

第3章 金銭の支払
(定時支払日)
第19条 物品及び役務の対価の外部納入業者への定時支払日は毎月5日とする。その他の定時支払日は毎月20日とする。当日が当社の休業日に当たる時はその休業日が終わる日の翌日とする。
2 税金の支払等上記による事が不合理な場合は、経理部長の承認により支払日を決定する。
(支払条件)
第20条 物品又は役務の対価の支払は、支払先の業態及び1か月の支払金額の多寡に応じて次により行う。この支払条件によらない場合は、理由を付して経理担当取締役の承認を得なければならない。
① 1か月の支払合計金額が1千万円以上の場合
 支払日を起算日として2か月を経過した日の翌日を支払期限とする約束手形により支払う。
② 上記以外の場合
 銀行振込みにより支払う。ただし、支払先の要求があれば小切手又は現金によって支払うことができる。
(支払の準備)
第21条 出納担当者は、購買担当部署から回付されてきた当月の「支払依頼表」が「購買管理規程」に準拠して正しく作成され、必要な承認がされていることを確かめる。
2 出納担当者は、支払先ごとの支払予定金額を買掛金元帳と照合して個々の「支払依頼金額」が元帳の金額以下であることを確かめる。
3 出納担当者は、支払依頼表の「支払実績」欄に当社の「支払条件」に基づき手形支払、小切手支払、振込み支払の別と利用する銀行名並びに手形支払の場合は支払期日を記入する。
4 出納責任者は、前項の表に基づき、手形、小切手、振込み支払のための普通預金払い戻し請求書及び振込み依頼表を作成し、経理部長に回付する。
5 銀行振込による支払の場合、銀行の振込み手数料は、原則として支払先の負担とし支払先への支払金額から差し引くこととする。
(支払手続)
第22条 経理部長は、前条により作成された支払依頼表及び手形、小切手、振込み依頼表を詳細に照合、点検して支払依頼表に認印を押し、手形、小切手、普通預金払い戻し請求書に銀行届け出印を押す。
2 経理部長は前項により押印した支払依頼表と手形、小切手、普通預金払い戻し請求書、振込み依頼表を出納責任者に回付する。
3 出納責任者は、前項により受け取った書類を再度詳細に点検の後、支払準備金庫に収納する。
4 出納責任者は定時支払日の朝、前項の書類を出納担当者に引き渡して支払の実行を命令する。
5 出納担当者は、振込み支払のため振込み依頼表と普通預金払戻請求書を銀行へ提出する。
6 小切手又は手形による支払は、原則として当社の支払窓口で行うが、支払先の依頼により郵送することができる。この場合は領収証及び郵便切手が貼付された手形郵送用の封筒の到着を確認してから発送しなければならない。
(給与の支払)
第23条 給与の支払日は、毎月25日とする。ただし、25日が会社の休業日に当たる時は直前の営業日とする。
2 給与は文書による本人の了解を得てできるだけ銀行振込みにより支払う。
3 人件費は人事課から送付された支払依頼表に基づいてのみ支払い、これ以外の支払をしてはならない。
(交通費等の支払)
第24条 交通費、旅費、宿泊費、旅費日当、会合費、交際費等で会社の従業員、役員等に支払うべき金銭は、その支払が正当である事を上司等社内の責任者が承認したものに限り支払う。これらを支払うための仮払金の支払も同様とする。
(設備の購入、投資のための支払)
第25条 設備の購入、有価証券の購入、借入金の返済、貸付金の実行等定例的でない支払はすべて取締役会の決議、社内稟議書等の正当な承認機関により正当に承認された支払依頼書がなければ支払をしてはならない。

第4章 小口現金
(小口現金)
第26条 小口現金は次の事業所に設けることができる。
① 支店、②営業所、③出張所、④工場
2 小口現金の設置に当たってその基準額、補充回数並びにこれらの変更は経理部長が定め承認する。
3 小口現金の使途は、原則としてその事業所に所属する役職員の旅費(旅費日当を含む。)、交通費、通信費、交際費並びにその事業所で通例的、共通的に発生する消耗品費等とする。人件費、設備費、リベートは本社経理出納担当の支払とし、小口現金からは金額の多寡を問わず支払ってはならない。
4 小口現金による支払額の上限は1件について5万円とし、これを超える場合は旅費、交通費等であっても本社経理出納担当窓口で支払う。
(小口現金責任者及び担当者)
第27条 小口現金を設けた事業所の長をその小口現金の責任者とする。
2 小口現金責任者は、その事業所に小口現金担当者を置く。
(小口現金支払の承認)
第28条 小口現金の支払は、小口現金責任者の承認があるものに限り、領収証と引換えに支払う。
(小口現金の精算と補充)
第29条 小口現金担当者は、毎月末にその月中に発生したすべての収納と支払を記録した「小口現金報告書」を作成し、小口現金責任者の承認を受けて経理部長あてに送付する。
2 前項の小口現金報告書には、領収証その他の証憑を添付する。
3 小口現金の補充は、小口現金報告書の「補充請求欄」に記載した金額について経理部長が承認の上行う。補充請求金額は、支払実績と次の支払予定を勘案して小口現金責任者が記入する。
(小口現金の管理)
第30条 小口現金担当者及び担当者は、小口現金出納帳を設け、金銭の受払いを明確に記入しておかなければならない。
2 小口現金責任者は、定期的あるいは随時に手持ちの現金を実査し、前項の出納帳と照合しなければならない。
3 現金の過不足が発生した場合は、十分な調査をし、なお不明な場合は「現金過不足」として小口現金責任者の承認を得て雑費処理するとともに本社経理部長にその旨の報告をする。
4 小口現金保管用の金庫内に私物を保管してはならない。

第5章 保管及び照合
(現金残高の照合)
第31条 出納担当者は、日々の金銭出納業務終了後直ちに手持ち現金残高を実査し、金種別現金残高表を作成してこれを出納責任者に回付する。
2 出納責任者は、前項の金種別現金残高表を記帳担当者が作成した資金収支日報の当日残高と照合する。
(現金過不足)
第32条 現金過不足が発生した場合は、直ちにその原因を調査し、なお不明な場合は「現金過不足」として経理部長の承認を得て雑費として処理する。
(保管中の事故措置)
第33条 盗難その他の原因により、多額の現金や小切手、手形が紛失したと認められるときは、直ちに取引銀行へ連絡して小切手、手形の支払停止を依頼すると共に、紛失した金額を算定して警察へ通報する。
2 小切手、手形が不渡りとなった時、経理部長は直ちに社内関係者に通報して、会社の損害を最小限に押さえる措置を講じなければならない。
(支払資金の準備)
第34条 出納責任者は、翌日の支払予想金額を考慮して、翌朝窓口支払資金として補充すべき金額を決めて、「窓口支払資金補充依頼表」を作成し、経理部長の承認を得てから資金管理担当者へ回付する。
(金庫の利用)
第35条 社内に置く金庫には次のものを収納する。
① 現金
② 預金通帳、預金証書
③ 受取手形、支払手形の未交付分
④ 小切手、手形用紙
⑤ 領収証用紙
⑥ 重要契約書類
⑦ その他経理部長が必要と認める書類
2 金庫の鍵は経理担当役員又は経理部長が保管し、ダイヤルナンバーは両者のほか経理課長が知るところとする。
3 ダイヤルナンバーは、三者で合議して随時変更する。
(資金収支日報)
第36条 記帳担当者は、資金収支日報を翌営業日の10時までに作成して経理担当役員及び経理部長に報告すると共に出納責任者へ写しを送る。
(資金管理)
第37条 資金管理担当者は、次の諸表を作成して資金管理を行い、経理担当役員及び経理部長に報告する。
① 資金管理運用月報
② 月次資金回収予定表
③ 月次支払予定表
④ 受取手形管理表、支払手形管理表
(資金運用)
第38条 資金運用は、安全を第一として元本保証のない運用をしてはならない。
2 余裕資金は先ず借入金の返済に当てなければならない。
3 資金管理担当者は、借入金の返済期日、受取手形や支払手形の決済期日等を慎重に管理して資金の無駄な浮遊、資金ショートなどを来さないようにしなければならない。
(資金の振替え)
第39条 銀行間の預金振替え等の資金移動は、余裕資金の運用、支払の準備、危険の回避等合理的な理由があり、経理担当役員、経理部長、その他の責任者の正当な承認があるものでなければこれをしてはならない。
(外国通貨の管理)
第40条 外国通貨の収納、支払、保管の手続は、原則として個々の通貨種類別に国内通貨と同じ扱いをする。
2 出納責任者は、外国通貨を管理するに当たっては、現金、預金の別及び国名、通貨の呼称、金額並びに報告基準日における残高の邦貨への換算額を記載する。
3 邦貨への換算は、報告基準日のTTMを使用し、直前までの邦貨による帳簿残高との差額は為替差損益として処理する。

第6章 補 則
(郵便切手等の扱い)
第41条 郵便切手、収入印紙、商品券、回数乗車券、各種プリペイドカードは、金券として管理し、その受払いはそれぞれの担当者が正確に記録しなければならない。

附 則
 この規程は、平成○○年○○月○○日から施行する。

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