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電話接遇心得(中小会社・サービス業)

電話接遇心得(中小会社・サービス業)のテキスト

       電話接遇心得

 電話は、お客様と会社をつなぐ重要な窓口であり、その応対には細心の注意が必要である。お客様に不快な印象を与えず、適切な電話応対ができるように日頃から心掛けておかなければならない。ここに、電話接遇について遵守すべき心得、要領等を示す。

1.電話応対の基本ルール
 つねに“自分が会社を代表している”という意識を持つことが重要である。
 ① 用件は手短に話すようにし、「正確」「簡潔」「明瞭」「丁寧」を心掛ける。
 ② 会話に集中し、気持ちを込めて応対する。
 ③ 言葉遣いに気をつける。
 ④ メモを手元においておく。
 ⑤ 用件は必ず復唱する。
 ⑥ 話の中で重要な点は、相手が確実に理解したかどうかを確認する。
 ⑦ 電話口で相手を待たせないようにする。
   相手を待たせる場合はなるべく短時間で済むようにし、保留モードにする。
   時間がかかるような場合は、いったん電話を切りこちらからかけ直す。
 ⑧ 周囲の人が電話をしているときは大きな声を出さないなどの配慮をする。

2.電話をかけるとき
<準備>
 ① メモを用意する。
 ② “誰に”“何を(用件)”話すのかを明確にする。
 ③ 用件を5W1Hで整理し、箇条書きでメモしておく。
 ④ 相手の氏名および正確な読み方、電話番号、所属、役職名を確認する。
 ⑤ 必要書類、参考書類を手元に用意しておく。
 ⑥ 電話をかけてもよい時間帯か(相手にとって迷惑な時間帯でないか)を考える。
<基本手順>
手 順 ポイント
1.準備する ・用件を整理する。
・相手の氏名、所属、役職名等を確認する。
・必要書類、参考書類を用意する。
2.電話をかける ・電話番号を間違えないように注意する。
3.挨拶する ・相手が電話に出たら、会社名と自分の名前を名乗る。
 「○○(会社名)の□□(名前)と申します。いつもお世話になりましてありがとうございます」
 ※「おはようございます」「お忙しいところおそれいります」など状況に応じて適当な語句をいれる。
 ※相手が名乗らないときは、こちらから確認する。
  「△△様でいらっしゃいますでしょうか」
4.取次ぎを依頼する ・名指し人でない人が電話に出たときは、取次ぎを依頼する。
 「おそれいりますが、○○課の△△様をお願いいたします」
5.用件を話す ・名指し人が電話に出たら挨拶し、用件を要領よく話す。
 ※その時間に電話する約束をしていた場合などを除き、
 「今、お時間をいただいて大丈夫でしょうか?」
 「○~○分よろしいでしょうか?」など、相手の都合を確認する。
6.確認・復唱する ・重要な事項、約束については、必ず確認・復唱する。
7.電話を終える ・用件が終わったら、丁寧に挨拶して電話を終える。
 「ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
 「失礼いたします。ごめんくださいませ」
・相手が電話を切ったことを確認して受話器を置く。

3.電話を受けるとき
<基本手順>
手 順 ポイント
1.電話をとる ・電話が鳴ったら2鈴以内に電話をとる。
 3回以上では「お待たせいたしました」「たいへんお待たせいたしました」
 ※「もしもし」という言葉は使用しない
2.名乗る ・会社名,部署名,自分の名前を名乗る。
 「お電話ありがとうございます。○○(会社名)の□□(名前)でございます」
 ※内線の場合は、「△△課の□□です」
3.相手を確認する ・相手が名乗った場合
 電話では人の名前は聞き取りにくいことが多いので、間違いがないように正確に聞き取ること
・相手が名乗らない場合
 用件を聞いた後などに失礼のないように聞く。
 「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか」
・相手の名前が聞き取りにくい場合
 失礼のないように相手に再度確認する。
 「おそれいります。お電話が遠いようで、もう一度お名前をお願いできますでしょうか」
4.挨拶する ・挨拶をする
 「○○様でいらっしゃいますね。いつもたいへんお世話になっております」
5.用件を聞く ・あいづちを打ちながら用件を聞く。
・取次ぎを依頼された場合
 担当者または関係者に迅速に取り次ぐ。
 「□□でございますね。かしこまりました。少々お待ち下さい」
6.確認・復唱する ・要点を復唱し、相手に確認する
7.名乗る ・あらためて自分の名を名乗る。
 「私□□が承りました」
8.電話を終える ・用件が終ったら、丁寧に挨拶して電話を終える。
 「失礼いたします。ごめんくださいませ」
 「ありがとうございました。よろしくお願いいたします」

4.電話の取次ぎ
<留意点>
 ① 相手を待たせるとき
   電話での待ち時間はことさら長く感じるものであり、お客様を電話口で待たせることは避けなければならない。やむを得ず待たせる場合には、あらかじめその旨を伝え、了解をとること。
 ② 用件の処理に時間がかかる場合
   用件が複雑で、すぐには解決できそうにない場合はいったん電話を切り、あらためてかけ直すことを提案すること。お客様の了解が得られたら迅速に対応することを約束して、いったん電話を切る。
  ※かけ直す場合は、どのくらい後にかけ直すのか、おおよその目安を告げる。“後日”というような曖昧な言い方はしないこと。
 ③ 担当者が不在の場合、または担当者が明確でない場合
   担当部門が責任を持って対応し、たらい回しは絶対にしないこと。
   クレーム、問合せの電話については、お客様相談室が対応すること。
 ④ 指名された人が不在の場合
   伝言の有無にかかわらず本人が戻り次第必ず報告すること。
<指名された人が不在の場合の対応>
手 順 ポイント
1.外出中の場合 「あいにく□□は外出しておりまして、○時頃に戻る予定でございます」
「戻りましたら□□の方からお電話させましょうか」
「よろしければご伝言を承りますが」
2.離席中、来客中の場合 「あいにく□□は席をはずしておりますが、戻りましたら□□の方からお電話させましょうか」
「よろしければご伝言を承りますが」
3.伝言を頼まれた場合 ・用件をメモし、確認・復唱する
・相手の会社名、所属、名前を確認する
・自分の名前を名乗る
 「私○○が承りました。間違いなく□□に申し伝えます」

5.声の留意点
<基本的事項>
 電話の場合、話し方や声の高さ、大きさ、速さによって、相手が受ける印象は大きく変わる。声の調子や話し方について以下の点に留意すること。
 ① 低く・深く・よく響く声で、穏やかに話すこと。
 ② 語尾を伸ばさないこと。
 ③ 語尾まで明快に発音すること。
 ④ よい姿勢で発声すること。
 ⑤ 声の高さや大きさに注意すること。
 ⑥ 語尾の上げ下げに注意すること。
 ⑦ 気持ちを声にのせること、事務的・機械的な口調にならないよう注意すること。
 ⑧ 適切なスピードを心掛けること。
<言葉の選び方>
 電話では、次のような聞き取りにくい言葉、わかりにくい言葉、悪い印象を与えやすい言葉を避け、相手に誤解を与えないように注意しなければならない。また、言葉づかいにも十分に配慮すること。
 ① 間違えやすい言葉
  ・同音異義語や類音語など
  ・数字(1(いち)と7(しち)など)
 ② わかりにくい言葉
  ・専門用語、学術用語、業界用語、学生言葉、仲間言葉、外国語、難しい漢語など
 ③ 否定的な表現
  ・「できません」「わかりません」「ありません」「無理です」など
 ④ 曖昧な表現
  ・「たぶん大丈夫です」「~のはずです」「なんとかなると思います」「近いうちに」「後日」など
<言葉遣い>
 ① 敬語、謙譲語、丁寧語の違いを意識し、正しく使い分けること。
 ② 礼儀正しく、丁寧な言葉遣いをすること。

6.私用電話
 公私混同を避け、私用での電話はやむを得ない場合を除き行わないこと。私用での長距離電話は必ず上司の許可を受けること。

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