外注管理規定(大会社・全業種)
外注管理規定(大会社・全業種) のテキスト
外注管理規定
第1章 総則
(目 的)
第1条 この規程は,当社における外注業務に関する手続について定め,外注の合理的かつ計画的な活用によって,コスト,品質,安定供給面で有利な商品調達を図ることを目的とする。
(範 囲)
第2条 この規程は,商品統括部が行う委託加工先の管理業務ならびに委託加工品および支給原材料の在庫管理業務について主に定める。
(主管部門)
第3条 この規程の主管部門は,商品統括部とする。
(解釈上の疑義)
第4条 この規程の解釈に疑義を生じたときは,商品統括部長に問い合わせ,その指示に従うものとする。
(用語の定義)
第5条 この規程における用語の定義は,次のとおりとする。
1.外注とは,当社が原材料を支給し,当社の指定する仕様に基づき製品の製造·加工の全部または一部を社外の業者に委託することをいう。
2. 委託加工先とは,外注を委託する社外の業者をいう。
3.営業所とは,支店,営業所,本社営業課を総称していう。
第2章 外注基本業務
第6条
(主管部門の業務)
主管部門は,各部門の協力を得て,次の業務を行うものとする。
1. 委託加工先の調査および選定
2. 委託加工先との諸条件の交渉
3. 委託加工先との委託加工契約の締結
4. 委託加工品の製造指示
5. 委託加工品の納期管理
6.原材料の調達および支給
7.委託加工先の原材料および委託加工品の在庫管理
8.委託加工先に対する折衝,指導
9.その他,内部的および対外的な事務処理
第3章 委託加工先の選定
(外注の決定)
第7条 外注は,次のいずれかの場合に限り行うものとする。
1.製造設備,製造ノウハウ,特許等により自社製造が不可能な場合
2.自社製造するよりも委託によるほうが品質,コスト,納期等の点で総合的に有利とみられる場合
(選定のための調査)
第8条 委託加工先の選定にあたって,事前に次の事項の調査を行うものとする。
1.会社の概要
(1)経営の状況
(2)会社の規模
(3)立地条件
2.会社の信用度,信頼度
3.製造技術の概要
(1) 技術者の人員数および技術能力
(2)得意な作業内容,加工技術および製品
4. 製造設備および製造能力の概要
(1) 設備,機械の種類,設置台数および能力
(2) 製造委託しようとする委託加工品および類似品の製造能力
5. 主要な取引の状況
(1) 主要取引先
(2) 製造委託しようとする委託加工品および類似品についての当社以外の取引先
(委託加工先の選定)
第9条 委託加工先は,前条の調査結果を踏まえ,品質,コスト,納期等において当社にとって最も有利な先を選定し,「職務権限規程」に定める手続を経て承認を得るものとする。
(委託加工契約の締結)
第10条 すべての委託先との間には,委託加工契約書を取り交わすものとする。
2 委託加工契約書には,委託加工品ごとの製品規格を定めた製品規格書あるいは製品仕様書,ならびに製造基準書を添付するものとする。
(委託加工費の決定)
第11条 委託加工費の決定にあたっては,原則として見積書をとり,適正であるかを査定するものとする。
2 委託加工費は,委託加工品の構成要素を詳細に分析,検討し,合理的かつ最も安価となるように委託加工先と協議し取り決めるものとする。
3 主管部門は,定期的に加工費の市場動向を把握し,当社に有利となるように加工費の見直しを行わなければならない。
第4章 製造指示
(製造指示)
第12条 委託加工先への製造指示は,製造指示書を交付することにより行うものとする。
(製造量の決定)
第13条 製造量は,直近の出荷実績と出荷見込みをもとにした適正在庫量を設定し,委託加工先の製造能力等を考慮して定めるものとする。
(納期の決定)
第14条 納期は,販売に支障を生じないように,製品在庫量や委託加工先の製造能力,手持ち作業量等を検討して設定するものとする。
(製造実績の報告)
第15条 委託加工先の原材料および委託加工品の適正在庫を把握するため,委託加工先からは製造実績について,日次報告を受けるものとする。
第5章 原材料の支給
(原材料支給の条件)
第16条 委託加工先へ原材料を支給する場合は,無償とする。
(原材料の支給経路)
第17条 原材料の支給は,次の経路により行う。
1.原材料を社内から支給する場合
商品倉庫 →委託加工先
2. 原材料を社外の業者から支給する場合
仕入先→委託加工先
(原材料の仕入)
第18条 原材料の什入業務については、別に定める「購買管理規程」に従うものと
(原材料の支給量)
第19条 原材料の支給は,委託加工品の製造指示数量に基づき,委託加工先の原材料在庫量を考慮のうえ,過剰在庫とならないよう適正量を支給する。
(原材料の受入報告)
第20条 委託加工先からは,支給原材料の受入について,日次報告を受けるものとする。
(不良原材料の処理)
第21条 委託加工先において,支給原材料に不良品が発見された場合は,別に定める「購買管理規程」に従って処理を行うものとする。
(事故責任)
第22条 支給した原材料の事故については,その事故責任の所在により,当社,委託加工先および仕入先のいずれの負担とするかを決定する。
(諸掛の負担)
第23条 支給原材料の受渡しに要する運賃,荷造費等の発送諸掛は,原則として当社の負担とする。
第6章 納期管理
(納期管理)
第24条 主管部門は,委託加工先の作業進度を管理し,納期遅延の防止に努めるものとする。
2 もし納期遅延が見込まれる場合は,速やかに関連部門と協議のうえ必要な措置を講じるものとする。
第7章 委託加工品の検収
(委託加工先への立入検査)
第25条 主管部門は,委託加工品の品質および製造歩留りの確保向上を目的として,定期的に製造作業現場への立入検査を行うものとする。
(委託加工品の出荷前検収)
第26条 主管部門は,必要に応じて委託加工先で製造された委託加工品のロットサンプルを取り寄せ,規格および品質が取り決めた基準どおりであるか否かの出荷前検収を行うものとする。
2 出荷前検収で品質異常と認められた場合,主管部門は委託加工先に対し,当該製品の出荷の中止を指示し,適切な処置を講ずるものとする。
(委託加工品の検収)
第27条 委託加工品の検収は,原則として,前条の出荷前検収の合格品をもって行うものとする。
第8章 加工費の支払
(加工費の支払)
第28条 委託加工先への加工費の支払は,毎月末日までの製造出来高のうち,前条による製造検収の完了したものに対して行うものとする。
(支払事務手続)
第29条 委託加工先への支払手続は,経理部が行うものとする。
第9章 委託加工品の出荷
(出荷指示手続)
第30条 委託加工先への委託加工品の出荷指示は,原則として営業所が所定の出荷依頼書を作成し,これを所管の商品倉庫が取りまとめて委託加工先へ送付することにより行うものとする。
(出荷実績の報告)
第31条 委託加工品の適正在庫を把握するため,委託加工先からは委託加工品の出荷について,日次報告を受けることを原則とする。
(入荷報告)
第32条 委託加工品を受け入れた営業所は,出荷依頼書と現品および納品書の品名,数量をチェックした後,「棚卸資産管理規程」に基づく入荷報告を行うものとする。
(受入および検収手続)
第33条 委託加工品の受入手続は,別に定める「購買管理規程」に従って行い,また検収手続は同規程に準拠して,受入部署が行うものとする。
第10章 棚卸
(実地棚卸)
第34条 毎期末および中間期末の委託加工先の実地棚卸には,原則として主管部門が立ち会い,委託加工品,支給原材料および仕掛品の在庫量を確認し,在庫証明書の交付を受けるものとする。
2 通常月の委託加工先の実地棚卸についても,原則として定期的な立会いを行い,前項に定める確認を行うものとする。
(改廃)
第35条 この規程の改廃は,取締役会の決議による。
付 則
この規程は,令和〇年〇月〇日より施行する。